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プロとしての責任感、今も思う苦渋の選択
小田中 康浩さん
(株)ジャッツ関西
小田中 康浩さん
“ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤー2007”準グランプリ受賞
平成18年度観光従事者功労近畿運輸局長表彰受賞者
 上海の豫園をお客様と観光していた時のことです。突然私の携帯電話が鳴りました。会社の所長からでした。「小田中さん落ち着いて聞いてくださいね」「はい」「実はお父さんが亡くなりました」「お父さんって誰のお父さんですか?」
「小田中さんのお父さんです」。私は血の気が引きました。
妻の父親はもう何年も昔に他界しており、父親というと私の父親しかいないのに誰の父親か聞くほど私にとっては寝耳に水でした。すぐに帰らなければと思ったのですが、そこへまた電話が鳴りました。
その旅行催行箇所の支店長からでした。支店長は添乗が可能かどうかというものでした。私は自分を犠牲にすることを選びました。通常のツアーなら、迷わず家に帰る事を選んだでしょう。ただ、このツアーはひとつの会社の慰安旅行で、2班分割の2班目だったのです。1班は支店の担当者と2人で来て、2班は私1人で70人を対応していました。この会社は隔年で大きな招待旅行を実施し、そのツアーの入札も控えていたので、私は責任感を優先したのです。お客様には何も言わず、ツアーは無事に終了しました。
 実家に帰ってみるとすでに父親は荼毘に付され、仏壇に置かれた小さな骨壷に姿を変えていました。その時に私のとった行動を自分で恥じました。そして父親に詫び、ひとりあふれてくる涙を押さえられませんでした。
その後、この会社の招待旅行も他社の競合を抑えて獲得でき、私の犠牲も無駄なものにはならなかったのがせめてもの救いでした。この仕事をしている限り、このような事はいつか起こると思っていましたが、何の前触れもなく突然訪れたのです。
プロであるという自覚がそんな時

吉村作治委員長より授与
の立場を優先してしまうのだろうと思います。責任感を優先することはプロであるなら仕方がないとは思うのです。しかし、人間的に考えると未だにあの時なぜすぐに帰らなかったのかと自分を責めてしまいます。これは、この仕事をしている限り、いつかはそうならないとも限らない皆さんにとっての難問でもあると思います。
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